音メディア処理研究室

 
フルート奏者と聴取者における聞こえの違いについての研究

フルート奏者と聴取者における聞こえの違いについての研究

背景・目的


楽器の練習には実技練習も大切だが、理想の音のイメージを持つ事も重要であり、プロの演奏を録音したCD 音源を聴く方法が気軽に出来る為多く行われているが、奏者がどんな音を聴いて吹いているかは分からない。

そこで、経験楽器であるフルートに着目して”フルート演奏の技術向上のためのプロの音源を演奏者が聴いている音に変換する演奏支援システムの開発”を目指して、本研究ではフルート奏者と聴取者の聞いている音の違いを客観評価を含めて明らかにすることを目的とする。

アプローチ方法


  • 録音音源の分析(客観評価)
  • 聴覚的違いの主観評価
  • 録音条件

 

分析


周波数特性の比較を行った結果、全体的に演奏者側で聴く音の方が音圧が高く高周波数帯では差が大きかった。

また、波形を比較した結果

 

聴覚的違いの主観評価


フルート経験者5名にaとbどちらが吹いている感覚に近いか回答してもらった。
その結果、聴取者側の音源では息をはきながら聴いた方が演奏時の感覚に近いという結果が得られた。

まとめ


フルートにおける演奏技術向上の支援のシステム開発の第一歩として、奏者と聴取者の聴こえの違いを客観評価を含む分析を行った。
分析の結果、その時々の演奏者コンディションの影響もあるとは考えられるが、奏者と聴取者それぞれの聴く音には周波数特性や波形に違いがある事が分かった。主観評価では、音源によって差はあるが息をはきながら音源を聴くと通常時よりも演奏している感覚に近いという結果が得られた。

卒論発表_1353004

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